コース下見はわずか2回。それでも鈴木愛がノーボギー65で単独首位に立てた理由

コースの下見が練習ラウンドとプロアマの2回だけ——そんな状態で試合の初日を迎えたら、スコアはどうなると思いますか。
普通なら苦戦しても不思議ではありません。
ところが2026年7月3日、神奈川県の戸塚カントリークラブ東コースで開幕した「資生堂・JALレディスオープン」の第1日、鈴木愛選手はそんな不利な条件のなかで7バーディー・ノーボギーの「65」という好スコアをマークし、単独首位発進を果たしました。
何が起きたのか
初日を終えた時点での順位はこうです。
首位は65の鈴木愛選手。
1打差の2位タイに青木瀬令奈選手、服部真夕選手、荒木優奈選手。
2打差の5位タイには木戸愛選手や、18歳で日本女子アマチュア選手権を制した長澤愛羅選手など7人が並んでいます。
今大会は賞金総額1億2000万円、優勝賞金2160万円をかけて、アマチュア5人を含む120人が出場する大型戦です。
あいにくの悪天候の影響で、大会そのものも3日間54ホールの短縮競技に変更されています。
なぜこの「65」が驚きなのか
鈴木選手はツアー通算22勝を誇るベテランで、2025年のシーズン最終戦をプレーオフで制したばかりの実力者です。
そんな選手でも、コース攻略には準備が欠かせないはず——というのが今回の見どころです。
種明かしは、鈴木選手のコース準備事情にあります。
前週開催されていた「アース・モンダミンカップ」が悪天候で順延を重ね、月曜日までもつれ込む5日間開催になっていました。
そのしわ寄せで、鈴木選手は戸塚CC東コースの下見を練習ラウンドとプロアマの計2回しかできないまま本番を迎えることになったのです。
本人も「フェアウェイが狭く、コース知識が必須なコース」と語っており、本来ならもっとも準備がものを言うタイプの舞台だったといえます。
ベテランならではの対応力が光った
それでも好スコアを出せた理由を、鈴木選手はショットの安定感にあると振り返っています。
「ショットが全体的に安定していて、ラフも思ったほど長く感じなかった」とのこと。
一方で「グリーン周りの把握はまだ不十分」とも認めており、パッティングでは正確なラインが分からない分を距離感で補いながら対応したそうです。
コース知識という土台がない中でも、ショットの再現性とその場の対応力でスコアをまとめてしまう——長年ツアーで戦ってきた選手ならではの引き出しの多さを感じさせるエピソードです。
若手の勢いにも目が離せない
上位争いには、18歳の長澤愛羅選手の名前もあります。
日本女子アマチュア選手権優勝の実績を引っさげてのツアー参戦で、ベテランと肩を並べる67をマークしました。
短縮競技のため、通常より1日早く決着に向かう今大会。
経験と勢い、それぞれのアプローチがどうスコアに結びついていくのか、残り2日間の展開からも目が離せません。
まとめ
準備不足という不利な条件を、ショットの安定感と現場対応力で乗り切った鈴木愛選手の初日。
コース攻略というと下見の量に注目しがちですが、今回のスコアは「経験に裏打ちされた引き出しの多さ」もまた大きな武器になることを教えてくれます。
残りのラウンドで首位を守り切れるか、注目してみてください。