「前へならえ」で消える手打ちの癖。腕の三角形はキープするのではなく、動かしてつくるものでした

スイング中、気づけば手だけでクラブを振っている——そんな感覚に心当たりはありませんか。
練習場で何十球打っても手元の動きがバラバラで、なかなかコースでの再現性が上がらない。
そんな時期が私にもありました。
実は、この手打ちの癖を断つカギは、構え方でも力の入れ方でもなく、スイングを始動する最初の一瞬にあるのだそうです。
倉林紅選手の初優勝スイングが教えてくれること
2週前に行われた国内女子ツアー「資生堂・JALレディスオープン」で、倉林紅選手がプロ初優勝を飾りました。
世界のゴルフスイング理論に精通し、デビッド・レッドベターに師事した経歴を持つゴルフスイングコンサルタントの吉田洋一郎氏は、この優勝スイングの最大の武器を「体と腕の一体感」と分析しています。
同じタイプのスイングの持ち主として、PGAツアーで活躍するジャスティン・ローズ選手の名前も挙げられました。
腕だけで振っているように見えないのに、なぜか安定して振り抜ける。
あの独特な滑らかさの正体が、少しずつ見えてきます。
なぜ「体と腕の同調」がスコアを左右するのか
体と腕をシンクロさせる最大のメリットは、スイングの安定性と再現性が高まることにあるといいます。
手先でクラブを操作するクセがあると、その日の調子やプレッシャーの度合いによってフェースの向きが微妙にブレやすくなります。
逆に体の回転と腕の位置関係が常に一定であれば、ミスの幅そのものが小さくなるわけです。
特にバックスイングの入り口でこの同調が崩れると、ダウンスイング以降も立て直しが利かず、再現性の低いスイングになってしまうそうです。
ポイントは「締める」のではなく「胸郭を回す」
具体的な始動法はこうです。
まず「前へならえ」をするように両腕を前へ伸ばし、両ワキを軽く締めます。
その形を保ったまま前傾姿勢をつくり、そこから胸郭を回すイメージでバックスイングを始動するのがコツだといいます。
前傾角を維持したまま胸郭が回れば、腕は自然と飛球線後方へまっすぐ動いていくそうです。
ここで意識したいのは、動かすのは肩関節ではなく胸郭だという点です。
肩だけをひねろうとすると手元が早くインサイドに入り込みやすく、三角形の形が崩れてしまいます。
肋骨のあたりを意識して、そこから回していく感覚を持つと、体主導の動きがつかみやすくなるようです。
練習に取り入れるなら
いきなりコースで試すよりも、まずは素振りで「前へならえ」の姿勢をつくり、腕の形を変えずに胸だけを回す感覚を反復してみるのがおすすめです。
鏡の前や、窓ガラスに映る自分のシルエットで確認しながら行うと、手元が先に動いていないかチェックしやすくなります。
ゆっくりとしたテンポで十分ですので、まずは形をつくることを優先してみてはいかがでしょうか。
まとめ
腕の三角形は、力を入れて守るものではなく、体の回転についてくる結果としてキープされるものなのかもしれません。
始動の一瞬に意識を向けるだけで、手打ちの感覚は変わってくるはずです。
さらに深掘りしたい方へ
始動法の元になった解説記事はこちらです。