岩井明愛、メジャー初優勝まであと1打。エビアン選手権が教えてくれたこと

18アンダー、266。
優勝スコアと並ぶ数字を最終ホール直前まで叩き出しながら、岩井明愛選手はメジャー初優勝を手にできませんでした。
その差はわずか1打。
ゴルフというスポーツの厳しさと面白さが、これほど凝縮された最終日もそう多くはありません。
何が起きたのか
舞台は米女子ゴルフ(LPGA)ツアーのメジャー第4戦、フランス・エビアンで開催された「アムンディ・エビアン選手権」。
3打差2位で最終日を迎えた岩井明愛選手(24歳)は、7月12日の最終ラウンドを5アンダー・1ボギー・1ダブルボギーの69で回りました。
15番パー5では2オンからの2パットでバーディーを奪い、通算18アンダーで首位のユ・ヘラン選手(韓国)に並びます。
試合は一気に混戦に。
ところが最終18番、岩井明選手がパーで上がる一方、ブルック・ヘンダーソン選手がイーグル、ユ・ヘラン選手がバーディーを決め、2人が19アンダーで並んでプレーオフへ突入しました。
プレーオフの1ホール目、ユ・ヘラン選手がバーディーを沈めて優勝。
岩井明選手は通算18アンダーの266で単独3位となり、メジャー初優勝は1打及ばずという結果に終わりました。
背景にあるもの
エビアン選手権は、全米女子オープンや全英女子オープンと並ぶLPGA五大メジャーのひとつ。
会場となるエビアン・リゾート・ゴルフクラブは、レマン湖を見下ろす景観の美しさでも知られる名コースです。
岩井明選手はこれまでも国内外のツアーで安定した成績を残してきましたが、メジャータイトルにはまだ手が届いていませんでした。
今大会は最終日最終組でのプレーという、経験としても大きな一戦。
試合後のインタビューでは「今日は苦しかった。
でも自信になりました」と、涙をにじませながら振り返っています。
なお日本勢は今大会、実に10人が予選を通過して決勝ラウンドへ進出しました。
山下美夢有選手と西郷真央選手が通算15アンダーで4位、原英莉花選手が14位、渋野日向子選手が16位と、上位に日本人選手の名前が並ぶ結果となりました。
ここがポイント
注目したいのは、優勝したユ・ヘラン選手の勢いです。
わずか3週間のうちに2つのメジャータイトルを獲得しており、先月の全米女子プロゴルフ選手権(KPMG Women’s PGA Championship)に続く連勝。
今もっとも波に乗っている選手といっていいでしょう。
一方の岩井明選手にとって、今回の3位は「負け」ではなく「伸びしろの証明」に近いものだったのではないでしょうか。
首位と並ぶところまで持っていく勝負強さを見せた事実は、次のメジャーへの期待に直結します。
悔しさの中で涙を見せつつも「自信になった」と語れる姿勢そのものが、彼女の強さを物語っているように感じます。
読者にとっての楽しみ方
今シーズンの女子ゴルフ界は、日本勢の層の厚さが際立っています。
決勝進出10人・上位陣に複数の日本人選手という結果は、一人のスター選手に頼らない層の厚さを示すものです。
次のメジャーや国内ツアーで、岩井明選手がこの悔しさをどう次につなげるか。
同世代の西郷真央選手や山下美夢有選手との競争も含めて、しばらく目が離せない展開が続きそうです。
まとめ
1打差でのメジャー初優勝ならず、それでも「自信になった」と前を向いた岩井明愛選手。
悔しさの先にある成長を、次のメジャーで確かめてみたくなる一戦でした。