シニネコック・ヒルズで全米オープン開幕──USGAは”あの失敗”を繰り返さないのか?2026年大会の見どころと難コースの真実

「また同じことが起きるんじゃないか」──ゴルフを長く観ていると、こんな不安がよぎることがあります。

2026年6月18日、第126回全米オープンがニューヨーク州のシニネコック・ヒルズゴルフクラブで開幕しました。
アメリカ最古のゴルフクラブのひとつとして知られるこの名コース、じつは”伝説と悪夢”が混在する特別な場所でもあります。

2004年の惨劇を覚えていますか? 最終ラウンドの平均スコアが78.7、28選手が80台を叩くという異常事態でした。
2018年には日中みるみる乾いていくグリーンが問題となり、フィル・ミケルソンが動く球を止めるためにわざとパットをして2打罰を受けるという衝撃の場面も生まれました。

今年、USGAはその教訓をどう活かしているのでしょう。
大会の裏側を深掘りしてみました。

シニネコック・ヒルズとはどんなコースか

シニネコック・ヒルズは1891年に創設されたアメリカ最古のゴルフクラブのひとつで、ニューヨーク州サウサンプトンの海沿いに位置します。
地形はリンクス(海岸の開けた丘陵地帯)スタイルで、コース設計は1931年のウィリアム・フリンによる大改造が基本となっています。

2026年大会はパー70・7,440ヤードで設定されています。
長さや狭さよりも、風とグリーンの巧妙な設計が難しさの本質です。

特に南南西からの風が時速15マイル以上で吹く日は、朝と午後でまったく別のコースになります。
グリーンは見た目より狭く、傾斜と段差が多数あり、ピン位置を外すと3パット・4パットも珍しくありません。
過去5度の全米オープンでアンダーパーフィニッシュを達成したのはたった3選手だけというデータが、その難しさを物語っています。

2004年・2018年の”失敗”と、USGAが今年変えたこと

過去2回の開催でシニネコックは批判を受けてきました。

2004年の第4ラウンドは平均スコア78.7という記録的な難しさとなり、タイガー・ウッズをはじめ多くのトッププロが「これは正しいゴルフではない」と声を上げました。
2018年は午前と午後でコース状態が大きく変わる不公平な設定となり、ザック・ジョンソンが「USGAはコースを失った」と批判。
フィル・ミケルソンの”動く球パット”事件も語り草になっています。

今年、USGAのジョン・ボーデンハマーは「われわれはここをいかようにも残虐なコースにできる。
しかしそれが目的ではない」と発言しました。
具体的に改善したポイントはここです:

  • フェアウェイ幅を広げた:2018年は極端に絞っていた幅を、元の設計者が意図した約48ヤードに戻した
  • “シリンジング”を導入:午前・午後の間に軽い給水を行い、グリーン状態の変化を抑える
  • グリーン速度は段階的に上昇させる:初日は「比較的遅め・受け入れやすい」状態からスタートし、週を追うごとに速くする計画

実際、第1ラウンドを終えたロリー・マッキロイは「グリーンはかなり受け入れやすかった」とコメント。
2018年の悪夢とは明らかに違うスタートを切っています。

第1ラウンドの展開──17人がアンダーパーという予想外の好スコア

6月18日の第1ラウンドは、朝から濃霧でプレーが約2時間中断されるハプニングがありました。
しかし好条件が続いたこともあり、17選手がアンダーパーを記録するという比較的スコアの出やすい展開に。

首位には2023年全米オープン王者のウィンダム・クラーク(一時6アンダー)が浮上。
世界ランク1位のスコッティ・シェフラーやダスティン・ジョンソン(-2)、ジョン・ラーム(-2)、マット・フィッツパトリック(-2)なども上位につけています。
ロリー・マッキロイも-1(69)で好位置を守りました。

木曜〜土曜にかけて20mph以上・突風40mphの強風が予報されており、グリーンも週を追うごとに速くなります。
初日の好スコアがそのまま続くとは思えず、後半ラウンドでシニネコック本来の牙が剥かれていくでしょう。

リンクスコース攻略の「選び方」──どんなプレーヤーが有利か

シニネコックのようなリンクスコースを楽しむなら、観戦するうえでの「注目ポイント」を知っておくと面白さが倍増します。

ショットの弾道に注目する

風が強い日は、弾道を低く抑えた「低弾道コントロールショット」を打てるプレーヤーが有利です。
高弾道で飛ばすタイプは強風に弱く、同じクラブでも番手を下げてスリークォータースイングで攻める技術が求められます。

アイアン巧者 vs ドライバー重視型

2018年はフェアウェイが狭すぎて最長飛距離のプレーヤーがラフからでも対応できていましたが、今大会はフェアウェイを広くしたことで戦略的なマネジメントが重要になります。
フェアウェイキープ率と第2打のアイアン精度が勝負の分かれ目です。

パット巧者は週後半に輝く

グリーン速度が週を通じて上がるため、後半ラウンドほどパット力の差が出ます。
スコッティ・シェフラーのような安定したストローク型や、リンクス経験豊富なロリー・マッキロイが週末に追い上げてくる可能性に注目です。

全米オープンを観て「リンクスコースで挑戦してみたい」と感じたなら、コントロール重視のアイアンセットや低弾道に対応したゴルフボールをチェックしてみるのもいいでしょう。
最新の在庫・価格は変動するため、購入前にメーカー公式サイトや各ショップで確認してください。

まとめ

過去に2度”失敗”を犯したシニネコック・ヒルズで、USGAが公正な舞台を作れるかが注目の2026年全米オープン。
初日は好スコアが続き、改善の成果が見えました。
しかし強風が本格化する週末には、このコースの本当の難しさが顔を出すはずです。
どの選手がシニネコックの試練を乗り越えるのか、最後まで目が離せない一週間になりそうです。

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