5打差からの62、兄がキャディを務めた優勝劇が教えてくれること

最終ホールを前に単独首位だった選手が、痛恨のミスでチャンスを逃す。
そのすぐ後ろから追い上げていた選手は、優勝が決まった瞬間に涙を浮かべていました。
ゴルフ中継でそんな場面に出会ったことはありませんか。
2026年7月5日、米男子ツアーのジョン・ディア・クラシック最終日で、まさにそんなドラマが起きました。
主役はクリス・ゴッタラップ選手です。
何が起きたのか
最終日に5打差を一気に消し去る9アンダー62をマークしたゴッタラップ選手は、通算20アンダー264で今季3勝目を挙げました。
最終組がプレーする中、17番でバーディーパットを沈めた時点で優勝はほぼ確定し、彼は練習場で結果を見守るという珍しい形での勝利になりました。
2位はマックス・ホーマ選手。
バックナインで4連続バーディーを奪う猛追を見せましたが、1打及びませんでした。
さらに際どかったのが3位タイのベン・コウルズ選手です。
72ホール目までゴッタラップ選手と並ぶ首位に立っていたものの、最終ホールのアプローチが池に入り、痛恨のミスで優勝を逃しています。
優勝と敗退が、最後の数打で入れ替わる——ツアーゴルフらしい緊張感が詰まった最終日でした。
背景にあった家族の物語
今回の優勝には、スコア以外にも心に残る背景があります。
ゴッタラップ選手のレギュラーキャディは、ちょうど子どもが生まれたタイミングで大会に帯同できず、代わりに実の兄パトリックさんがバッグを担ぎました。
優勝後、彼は目を潤ませながら「パトリックがここにいてくれて、本当に素晴らしい」と語っています。
今回の勝利は自身5勝目、2026年シーズンでは3勝目、直近12カ月では4勝目となり、この期間の勝利数は世界ランキング1位のスコッティ・シェフラー選手と並ぶペースでした。
世界ランキングも自己最高の7位まで上昇しています。
ここがポイント:バッグの中身も一枚岩ではなかった
今回の優勝で使用していたクラブ構成にも、ちょっと面白い特徴があります。
ドライバーはPing、ミニドライバーとフェアウェイウッド・ウェッジ・パターはTaylorMade、そしてアイアンとボールはBridgestoneという、複数メーカーを実力本位で組み合わせた”寄せ集め”のセッティングだったのです。
パターにいたっては、TaylorMadeのSpider Tour X L-Neckに鉛のテープを大量に貼り足すという、市販モデルそのままではない仕上げ方をしていました。
プロの世界では、契約ブランドを一色に揃えるイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実際には「結果が出る組み合わせを選ぶ」選手も珍しくありません。
読者にとっての楽しみ方
こうした優勝直後の使用クラブ紹介、いわゆる「ウィナーズバッグ」は、ツアー観戦のもうひとつの楽しみ方です。
スコアやドラマだけでなく、「この選手はどんな道具でこの結果を出したのか」という視点を持つと、中継の見え方が変わってきます。
自分のクラブ選びでも、必ずしも1メーカーに揃える必要はありません。
ドライバーはこのブランド、アイアンは別のブランドという組み合わせも、実は多くのプロが実践している選び方です。
次にラウンドするときは、自分のバッグの中身を一度見直してみるのも楽しいかもしれません。
まとめ
5打差からの62、家族の支え、そしてブランドにとらわれないギア選び。
ジョン・ディア・クラシックの優勝劇は、スコア表だけでは伝わらない見どころに溢れていました。