9年ぶりの涙、永井花奈はなぜ”あきらめなかった”のか ミネベアミツミレディス優勝の舞台裏

前回の優勝から、実に3000日以上。
数字だけ見ると気が遠くなりますが、その間もずっとツアーを歩き続けた選手がいます。

7月12日、女子ゴルフ国内ツアー第18戦「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」(北海道・真駒内カントリークラブ空沼コース)の最終日、永井花奈選手が通算2勝目を手にしました。
前回優勝は2017年の「樋口久子 三菱電機レディス」。
実に9年ぶり、日数にして8年256日ぶりの優勝は、ツアー制度施行後では史上6番目に長いブランク優勝という記録にもなりました。

何が起きたのか

最終日、単独首位で出場した永井選手は4バーディ、1ボギーの3アンダー69でラウンド。
悪天候による約30分の中断を挟みながらも崩れず、後半10番からの2連続バーディで再びリードを広げ、通算19アンダー(269)でフィニッシュしました。
この19アンダーは大会新記録です。

追い上げたのは、地元北海道出身でホステスプロとして出場した阿部未悠選手(16アンダー・2位)と、プロ16年目で初優勝を狙った仲宗根澄香選手(15アンダー・3位タイ)でした。
仲宗根選手は初日に7アンダー65で単独首位に立ち、2日目も65をマークして通算14アンダーとリードを広げていましたが、最終盤で流れをつかみきれませんでした。

流れが大きく動いたのは3日目です。
永井選手はこの日、トーナメントレコードとなる9アンダー63というスコアをたたき出し、通算16アンダーで単独首位に浮上しました。
前日までの出遅れを一気に取り戻す猛チャージだったといえるでしょう。

9年間、何をしていたのか

優勝後のインタビューで永井選手はこう振り返っています。

「自分の悪いときも良いときも、たくさん応援してくださった皆さまに2勝目を見せることができて本当にうれしいです」

声を震わせながらの言葉には、9年という長い時間の重みがにじんでいました。
前回優勝以降はシードを失う時期もあり、決して順風満帆な道のりではなかったといいます。
今大会に向けてはクラブとの契約をフリーにして臨んでおり、機材面も含めて自分のプレーを見つめ直しての復活劇だったようです。

ここがポイント

ツアーで結果を出し続けるのは、簡単なことではありません。
シードを失えばそれだけ出場機会も減り、モチベーションを保つのも難しくなるはずです。
それでも永井選手は9年間ツアーに立ち続け、63というコースレコード級のスコアを出せる状態までコンディションを整えてきました。
「勝てなかった9年」ではなく「勝つための9年」だったと捉えると、この優勝の見え方が変わってきます。

一発のホールインワンやミラクルショットではなく、3日目の63、最終日の69という積み重ねで手にした優勝だという点も印象的です。
派手さよりも安定感、そして崩れない精神力が結果につながった大会だったのではないでしょうか。

読者にとっての意味

自分のスコアがなかなか伸びない時期、練習しても結果が出ない時期は、アマチュアゴルファーにも誰しも訪れるものです。
そんなとき、プロの世界でも9年かけて頂点に返り咲いた選手がいるという事実は、単純に励まされる話ではないでしょうか。

次にテレビや配信でツアー中継を見るときは、優勝争いの裏にある「その選手がここまで歩んできた時間」にも目を向けてみると、これまでとは違った楽しみ方ができるかもしれません。
派手なスコアだけでなく、そこに至るまでの背景を知ってから見るツアー中継は、きっと違った表情を見せてくれます。

まとめ

9年という長いブランクを経ての優勝は、記録としてだけでなく、一人の選手の歩みとして多くの示唆を与えてくれます。
永井花奈選手の次戦にも、引き続き注目していきたいところです。

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